排卵時期を予測する検査
基礎体温測定
基礎体温は、目が覚めて起き上がる前に婦人体温計を舌下に入れて測定します。基礎体温を連日記録すると、排卵がある場合は低温相と高温相の2相性を示し、その移行期に排卵が起こっていると考えられます。排卵を正確に予測するのは困難ですが、排卵の有無の確認や黄体機能の推測に有用です。また、周期を確認して他の検査の実施計画を立てるうえでも役立ちます。
基礎体温表
頸管粘液検査
頸管粘液は子宮頸管から分泌され、おりものの一部となります。エストロゲンやプロゲステロンに反応して性状が変化します。エストロゲン分泌量が増加すると、頸管粘液量が増え、粘稠度(ねばりけ)が減少し、牽糸性(伸びやすさ)が増え、子宮内へ精子が侵入しやすくなります。頸管粘液の性状を調べることで排卵期を予測できます。
超音波検査
排卵時期や卵胞の発育状態、子宮内膜の厚さなどを予測するために最も有用な検査であり、診断時以外にも治療段階においても頻回に行われます。プローブという器具からでる超音波をからだにあてることで子宮や卵巣の状態を画像で確認します。プローブには腟内に入れるタイプとお腹の上からあてるタイプがありますが、不妊治療では主に腟用が用いられます。直径1.5〜2cmの細い超音波プローブを腟から挿入し、卵巣や子宮の状態を観察します。
尿中LH測定
排卵時に黄体形成ホルモン(LH)の分泌量がピークとなる「LHサージ」が起こることを利用して、尿中に排泄されるLHを測定することで排卵を予測します。
診断キットが市販されており、自宅で測定することも可能です。検査で陽性反応が出てから24〜48時間後に排卵が起こります。